おわりに

− おわりに −

小川てつオ 「こんにちはテント」は、「アートスフィア灰塚 '98」のワークショップの中から生まれました。ワークショップのテーマは、新しい文化財の見方と事物を探す、というものでした。「文化財」という言葉は、自分にとって唐突なものでした。つまり、自分と何の関係があるのか分からない、働きかけてこない言葉でした。自分に働きかけ、他人にも働きかける事を探す中で、「テントを張りたい場所を探す」、さらに「そこにテントを張ってしばらく暮らしてみる」という事が出てきたようです。また、テントに身を置いてみると、こんにちはテントが「中間的」であることに気が付きました。そもそも、テント自体「家」ともいえない中間的なものです。中間に身を置く事は、何かと何かを結び付ける可能性を持つという事です。そんな風にすごした日々は、とても楽しいものになりました。ここに出てこないけど、テントにこんにちはしてくれた人は、他に何人もいます。その一人の奥田さんからもらったにこういうのがありました。
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丸井隆人 去年だったか、友人のアベちゃん(アベ君ではない)がベトナム旅行から帰ってきて、その期間のことをやたらと詳細に書き記したウェブサイト「ベトナムリサーチラボラトリーズ」を作ったのを見て、もし自分がベトナムへ行く機会があったら、彼の辿った行程をそのままなぞってみる、というのも面白いんじゃないか?と思ったことがあった。今回、僕はそれを小川てつオのコウホ地を辿ることで確信した。この方法は、同じ行程を辿る中で記録されたものに出会えたとき、まるで宝物でも見つけたような興奮があるとともに、彼と何か秘密を共有したような感覚に誘われ、とにかく彼と話したくなる(と言いつつ、それから3ヶ月後の仕上がり→連絡となるわけですが)、そんな嬉しい気持ちにも駆り立てられるものだ。最初は黒子に徹してサイト構築に専念しようと思っていたのが、いつの間にやら勝手にふたりのコラボレート作品にしてしまった。『こんにちわテント』にアリガトウです。
(巨匠/居候ライフ:小川てつオ) (M類/Web Creator:丸井隆人)

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安井さん、横山さん、てつオ、奥田さん、まるい お宮の中でくつろぐ てつオ&まるい


私達の知るすべて
   そこには何があった?
   谷の奥深くに静かに咲くすみれ?
   それとも
   その時を待つ大きな蜘蛛?

   − どちらもあったよ −
   − 何だってあったよ −
   美しく咲く小さな花も
   すべてを吐き出す大きな口も
   決して入ることのできない入口も
   暖かく包み込む毛布も
   − 何だってあったよ −
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− 何だって見たよ −
君が水を忘れて 君の毒に枯れる白い百合を
君の口から飛び立つ夥しい数の蛾を
道に迷って 膝を抱えて 涙にも気付かない君を
小さな蟻を踏みつぶそうとする君を
− 何だって見たよ −



そこに何があった?
そこに何を見たの?
私は答えをきくのが恐いのよ




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