∞
p.108
私は未熟なタイプの人間です。
現在も未熟で、過去には更に未熟でした。
未来にも私の未熟さはずっと続くことと思います。
私の中には無限大の未完成があります。
その未完成がいつも渇望を呼び起こします。
その未完成が私をして歌を書かせ、歌わせるのです。
まるで遺伝子の中にそれ以上存在していない故郷が刻印され
いつもどこかに帰って行きたい異邦人であるかのように
私はいつも恋しく、渇望し、寂しいのです。
もしかすると、人は
恋しさ、渇望、寂しさのために
生まれるのかもしれません。
どこかに帰って行くために
生まれて死ぬのかもしれません。